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iDempiere パフォーマンス比率の使い方|会計 操作マニュアル・技術仕様

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📖 会計の全体像: 会計の全体図 も合わせてご覧ください。

パフォーマンス比率は、経営指標(比率)の計算式を定義するマスタです。勘定科目の残高・測定計算・定数値・他の比率を「エレメント」として順番に組み合わせ、会計スキーマ単位で指標の計算手順を登録します。定義した比率は、パフォーマンス測定(測定タイプ=比率)から参照されます。

📌 ポイント: 計算式は「エレメント」タブにシーケンスNo順で登録した行の積み上げで表現します。各エレメントは勘定科目・測定計算・定数値・他の比率のいずれか 1 つを参照し、比率計算符(オペランド)で前の結果と結合されます。

パフォーマンス比率でできること

Section titled “パフォーマンス比率でできること”
  • 会計スキーマごとの経営指標(比率)の計算式定義
  • 勘定科目(Account_ID)の転記金額を計算式の項として使用
  • 測定計算(PA_MeasureCalc)や定数値を項として使用
  • 定義済みの他の比率(使用比率)を入れ子で参照
  • 転記タイプ(実績・予算等)を項ごとに指定
  • パフォーマンス測定の測定タイプ「比率」からの参照

パフォーマンス比率はシンプルな 2 タブ構成です。

タブ名テーブル項目数役割
比率PA_Ratio約7項目比率の基本情報(名称・会計スキーマ)
エレメントPA_RatioElement約14項目計算式の各項(参照先・オペランド・順序)
graph TD
    A["🚀 メニューから開く<br/>会計管理 > パフォーマンス測定 > パフォーマンス比率"] --> B["➕ 比率タブで新規作成<br/>(名称・会計スキーマ)"]
    B --> C["💾 保存"]
    C --> D["📋 エレメントタブへ移動<br/>シーケンスNo順に項を登録"]
    D --> E{エレメントタイプ}
    E -->|勘定科目| F["📒 勘定科目と転記タイプを指定"]
    E -->|測定計算| G["📊 測定計算を指定"]
    E -->|定数| H["🔢 定数値を入力"]
    E -->|他の比率| I["🔁 使用比率を指定"]
    F --> J["💾 保存(必要な項の数だけ繰り返し)"]
    G --> J
    H --> J
    I --> J
    J --> K["🔗 パフォーマンス測定<br/>(測定タイプ=比率)で参照"]

メニューから開く 会計管理 > パフォーマンス測定 > パフォーマンス比率 比率タブで新規作成 (名称・会計スキーマ) 保存 エレメントタブへ移動 シーケンスNo順に項を登録 勘定科目と転記タイプを指定 測定計算を指定 定数値を入力 使用比率を指定 保存(必要な項の数だけ繰り返し) パフォーマンス測定 (測定タイプ=比率)で参照 エレメントタイプ 勘定科目 測定計算 定数 他の比率

メニューから「会計管理 > パフォーマンス測定 > パフォーマンス比率」を開きます。

  1. ツールバーの「新規」ボタンをクリック
  2. 比率タブで基本情報を入力:
    • 名称: 指標名(例: 流動比率
    • 会計スキーマ: 金額参照の基準となる会計スキーマ
    • 説明・コメント: 必要に応じて入力
  3. 保存」をクリック
  4. エレメント」タブに移動し、計算式の項を登録:
    • シーケンスNo: 計算順序(小さい番号から評価)
    • 名称: 項の名前
    • 比率計算符: 前の結果との結合方法(オペランド)
    • エレメントタイプ: 項の種類を選択
    • タイプに応じて 勘定科目 / 測定計算 / 定数値 / 使用比率 のいずれかを指定
    • 転記タイプ: 勘定科目参照時の金額種別(実績・予算等)
  5. 項の数だけ 4 を繰り返し、「保存
項目名必須説明
名称必須文字列比率の名称(識別子)
説明-文字列補足説明
コメント-テキストコメント・ヒント
会計スキーマ必須選択金額参照の基準となる会計ルール
有効必須チェックレコードの有効フラグ
項目名必須説明
比率必須選択親となるパフォーマンス比率(自動セット)
名称必須文字列エレメント名
シーケンスNo必須整数計算順序(小さい番号が先)
比率計算符必須リストオペランド(デフォルト P
エレメントタイプ必須リスト項の種類
測定計算-選択測定計算を項として参照
定数値-数値定数を項として使用
使用比率-選択他の比率を項として参照
勘定科目-検索勘定科目を項として参照
転記タイプ-リスト金額の種別(実績・予算等)

全項目は 画面リファレンス を参照してください。

Q. 定義した比率はどこで使われますか?

Section titled “Q. 定義した比率はどこで使われますか?”

パフォーマンス測定(PA_Measure)の測定タイプに「比率」を選択した場合に参照されます。ソースコード上、MMeasure.beforeSave() で測定タイプが比率のときはパフォーマンス比率(PA_Ratio_ID)の指定が必須チェックされます(未指定は FillMandatory エラー)。

Q. エレメントが参照できる値の種類は?

Section titled “Q. エレメントが参照できる値の種類は?”

各エレメントは、勘定科目Account_ID)・測定計算PA_MeasureCalc_ID)・定数値ConstantValue)・他の比率PA_RatioUsed_ID)の 4 種類のいずれか 1 つをエレメントタイプに応じて参照します。他の比率を参照することで、既存の指標を部品として入れ子の計算式が組めます。

Q. 比率タイプの測定値が自動更新されません

Section titled “Q. 比率タイプの測定値が自動更新されません”

iDempiere 13 標準実装では、MMeasure.updateRatios() は常に false を返すスタブ実装であり、比率タイプの測定値自動集計は行われません。比率タイプの実測値更新が必要な場合は、Model Validator やカスタム測定クラス(測定タイプ=ユーザー定義 + CalculationClass)による拡張を検討してください。

Q. なぜ会計スキーマが必須なのですか?

Section titled “Q. なぜ会計スキーマが必須なのですか?”

勘定科目の転記金額を項として参照する際、金額は会計スキーマ(通貨・会計基準)ごとに転記されているためです。比率は指定した会計スキーマの会計ファクトを前提に定義します。

🛠 技術仕様(開発者向け)

パフォーマンス比率は PA_Ratio(ヘッダ)と PA_RatioElement(明細)の 2 テーブルで構成される設定マスタです。専用の M クラスは存在せず、自動生成クラス X_PA_Ratio(232行)・X_PA_RatioElement(442行)のみが提供されます。参照側のビジネスロジックは MMeasure(759行)が持ちます。アクセスレベルは両テーブルとも 2(クライアント)、Document 型ではありません(DocAction/DocStatus カラムなし)。

classDiagram
    class X_PA_Ratio {
        <<generated>>
        +getC_AcctSchema_ID() int
        +getName() String
    }
    class X_PA_RatioElement {
        <<generated>>
        +getRatioElementType() String
        +getRatioOperand() String
        +getSeqNo() int
    }
    class PO {
        <<abstract>>
    }
    class MMeasure {
        +beforeSave() boolean
        -updateRatios() boolean
    }
    X_PA_Ratio --|> PO
    X_PA_RatioElement --|> PO
    X_PA_Ratio --> X_PA_RatioElement : has many
    MMeasure --> X_PA_Ratio : PA_Ratio_ID 参照

<> +getC_AcctSchema_ID() int +getName() String <> +getRatioElementType() String +getRatioOperand() String +getSeqNo() int <> +beforeSave() boolean -updateRatios() boolean > PO X_PA_RatioElement --

パッケージ: org.compiere.model ソースファイル: org.adempiere.base/src/org/compiere/model/X_PA_Ratio.java / X_PA_RatioElement.java(参照側: MMeasure.java

カラム名必須説明備考
PA_Ratio_IDIDPK比率ID主キー
AD_Client_IDTableDirectYクライアント
AD_Org_IDTableDirectY組織
NameString(60)Y名称識別子
DescriptionString(255)N説明
HelpText(2000)Nコメント
C_AcctSchema_IDTableDirectY会計スキーマ
IsActiveYesNoY有効フラグ

PA_RatioElement(比率エレメント)

Section titled “PA_RatioElement(比率エレメント)”
カラム名必須説明備考
PA_RatioElement_IDIDPKエレメントID主キー
PA_Ratio_IDTableDirectY親比率FK親リンク
NameString(60)Y名称
SeqNoIntegerY計算順序識別子の一部
RatioOperandList(1)Y比率計算符デフォルト P
RatioElementTypeList(1)Yエレメントタイプ
Account_IDSearchN勘定科目タイプに応じ択一
PA_MeasureCalc_IDTableDirectN測定計算タイプに応じ択一
ConstantValueNumberN定数値タイプに応じ択一
PA_RatioUsed_IDTableN使用比率他比率の入れ子参照
PostingTypeList(1)N転記タイプ
IsActiveYesNoY有効フラグ
erDiagram
    PA_Ratio ||--o{ PA_RatioElement : "elements"
    PA_Ratio }o--|| C_AcctSchema : "accounting schema"
    PA_RatioElement }o--o| PA_MeasureCalc : "measure calc"
    PA_RatioElement }o--o| PA_Ratio : "ratio used"
    PA_Measure }o--o| PA_Ratio : "measure type = Ratio"

accounting schema measure calc ratio used measure type = Ratio

  • X_ クラスのみ: PA_Ratio / PA_RatioElement 自体には beforeSave / afterSave のカスタムロジックはありません(自動生成クラスのみ)。
  • MMeasure.beforeSave(): 測定タイプが比率(MEASURETYPE_Ratio)の場合、PA_Ratio_ID 未指定を FillMandatory エラーとして保存を拒否します。
  • MMeasure.updateRatios(): iDempiere 13 標準では常に false を返すスタブ実装で、比率タイプの測定値自動更新は未実装です。

拡張ポイント(カスタマイズ箇所)

Section titled “拡張ポイント(カスタマイズ箇所)”

このテーブルに登録済みの Callout はありません(AD カラム定義上 callout 未設定)。拡張は OSGi プラグインで行います:

  • Model Validator: PA_RatioElement の保存時にエレメントタイプと参照カラム(勘定科目/測定計算/定数/使用比率)の整合性チェックを追加できます。
  • 比率の実測値算出: 標準の updateRatios() が未実装のため、比率の自動集計が必要な場合は測定タイプ「ユーザー定義」+ CalculationClass にカスタム測定クラスを実装する方法が現実的です。

パフォーマンス測定・経営指標ダッシュボードは、カスタム測定クラスにより自社独自の KPI 集計へ拡張できます。

As-Link株式会社では、OSGiプラグインによる安全なカスタマイズを提供しています。

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